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時間にこだわり過ぎる息子が家を脱走し一瞬行方不明になった話

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この話は、発達障害の子の母親としてどうなんだ!とお叱りの言葉をいただくことになってしまうかもしれませんが、自分でもひどく反省をし、忘れられない出来事です。

目次

時間にこだわる

発達障害である息子ですが、普段は一人でフラフラとどこかへ行ってしまったり、親の目が届かないところへ行ってしまうようなことはありませんでした。

どちらかというと、怖がりでビビりで一人では何もできない決められないというタイプです。

ですが、ルールや決まりごとには厳しく激しく融通がきかないため、時間や道順などにものすごくこだわります。

例えば、ゲームは30分と決めると、タイマーを使ってはかり、いくらゲームが途中であろうが30分たったらやめなければいけないというルールが頭の中で優先してしまうので、時間の方が気になってしまい、1分おきくらいにタイマーをみて確認し、30分のアラームが鳴ると私が「やめなさい」と言ってもいないのに、「まだ途中なんだよ!」泣きながらでもゲームをやめなければいけないのです。

私は、少しくらい過ぎてもいいじゃん!と思うのですが、彼の中では1分1秒でも許されないのです。

この時間のこだわりは、ゲームだけではなく生活の中すべてのことがそうなのです。

ですが息子が自分で時間を決めるということはほとんどありません。
自分以外の誰かが決めた時間は守らなければいけないのです。

以前学校の参観日に行った時も、この時間のこだわりを見せていました。

授業が終わるチャイムが鳴ったと同時に息子が「終わったよ!終わったよ!」と先生に向かって叫び出しました。

チャイムぴったりに終わらないことなんてあって普通の事なんですが、彼にはそれが許せないのです。

ずっと叫び続けている息子をみて、参観に来ていた親御さんたちはビックリしていましたし、私も顔から火がでるか思うような恥ずかしさでした。

ですが、毎日普通にあるだろうこんなことすら妥協できないなんて、きっと息子自身は相当苦しいのだろうと思います。

時計やタイマーをみなければ時間を気にせずに済むのではないかと考え、家の時計やタイマーをみせないようにしたこともありますが、それがかえって逆効果になり、時間がわからないということの不安で余計に時間を気にしてしまい何にも集中できないという事もわかりました。

1人での留守番

この時間のこだわりによって、やりやすいと感じることもありました。

小学生にもなったし、少しくらい一人でお留守番ができるだろうという話になりました。

今までは一人で家に置いておくなんて、怖くてできることではありませんでした。

でも、さすがに小学生になって、ちょっと近所に回覧板を届けに行く間、ちょっとポストへ手紙を入れに行く間、その都度一緒に連れ出すのもどうだろう…と感じていました。

そこである日、家から往復3分もかからないであろうポストへ手紙を入れに行くときに「5分で帰ってくるから!」お留守番を提案してみました。

最初は不安そうでしたが、「やってみる!」というので、いつものようにタイマーを5分にセットして出かけました。

もちろん3分もかからず帰ってきたので、その時は大成功です。

子供も「留守番できたよ!」と誇らしげに言っていました。

それ以降、ちょっと近所の用事くらいの時はお留守番ができるようになっていました。

時間を過ぎてしまった恐怖

お留守番することにも慣れてきて、私も油断していたんだと思います。

郵便局へ書留を出しに行く用事があったので
「一緒に行く?」と誘ったのですが、息子は「家で待ってる」と言いました。

郵便局は家から自転車で2分くらい。窓口で書留を出しても、20分以内には帰れるだろうと思っていましたので、「20分で帰ってくるね」と言って出かけました。

郵便局へ行ってみると、郵便の窓口が混んでいたのです。
やっと自分の番になって、時間ギリギリだなと思いましたが、時間を過ぎても1分くらいだろうと思ったので、そのまま書留を出す手続きをして家へ戻りました。

たぶん1、2分過ぎたくらいだっと思います。

いつもお留守番の時は鍵をかけて、誰か来ても絶対開けないようにと約束をしていました。

家の前に着いた時に自分の血の気が引いていく感じがわかりました。


玄関の扉が開いている…。

家に入ると息子はいませんでした。

もう私の頭は真っ白です。

郵便局の帰りに息子とはすれ違わなかった。

時間を過ぎてしまったことでパニックになり家を飛び出したんだろうと予想ができたので、それはもう怖い想像しかできませんでした。

道路に飛び出して車にひかれるかも、訳も分からず遠くへ行ってしまうかも、と…。

家の鍵は開けっ放しにし、とりあえず家の周りを探してもいない。

そして、違う道から郵便局へ戻ってみました。

いました…。

郵便局で保護されていました。

違う道を通ったことで私と入れ違いになっていたのです。

郵便局の人の話では、「ママどこ!」と泣きながら入ってきたそうです。

すぐに私が郵便局へ戻ったことで見つかり、自分できちんと名前と学校名を郵便局の人に伝えたそうで、大事にはならずに済みました。

それから家に帰り、ショックでしばらく何もする気がおきませんでした。

予想できていたはずなのに時間内に戻らなかった自分に対する怒りと、1分も待てなかったのかという息子への悔しさと…。
この出来事以降から息子は、お留守番をする、一人で待つということはできなってしまいました。

私も今思い出しても胸が苦しくなるような体験でしたが、息子にとってはもっと怖くて不安で苦しかったのだと思います。

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