私は大家の仕事もやっていますが、畑も持っているので農業も少しだけやっています。
農業と言っても実際に農作物を出荷して大きな収入があるわけではありません。
今は柑橘類を少しフリマアプリなどで販売しています。
不労所得として大家はいい収入ではありますが、建物は老朽化してきていますし、空室になったままの部屋もあり、さらにまた1室空いてしまうことになったので、どんどん収入が減ってきており、今後どうしていくのがいいのか悩んでいるところです。
畑を持っているのですが、農家を専業でやるわけでもなく、今は離れた場所に住んでいることもあり、畑は固定資産税もほとんどかからないですし、ただ畑として維持していければいいなくらいに思っていました。
ですが、将来・老後のことを考え、農業を本気で考えるようになってきました。
そして、農地を増やそうと動き始めました。
農地は簡単には買えない
農地は、家を買うように個人では簡単に売買することができません。
農地は宅地のように自由に売買することができないのです。
農地法という法律があるためです。
農地を買うためには農地購入のための条件をクリアして、農業委員会の許可を得る必要があります。
通常は、農業従事者でなければ農地は買えないような条件となっていますが、最近は人口が減っているような自治体では農地購入のための条件が緩くなってきているところも多くあります。
個人と法人では条件が違っているのですが、個人の農地を購入する場合にどうのような条件が必要なのでしょうか。
個人で農地を買う場合の条件とは
- 小作地の所有権を小作農およびその世帯員以外のものが取得しようとする場合
- 権利を取得しようとするものが農業経営に供すべき農地の全てを耕作すると認められない場合
- 農地を取得しようとするものが、農業経営に必要な農作業に常時従事すると認められない場合
- 取得する農地の経営面積が北海道では2ヘクタール以上、都府県では50アールに満たない場合
- 農地を取得しようとする者の農業経営の状況、住所地と取得しようとする農地の距離からみて、当該農地を効率的に利用すると認められない場合
条件3の経営面積は各市町村によって変わってきます。
その他の条件も各地域によって違っている場合もありますので確認が必要です。
農地の面積を表す時は、a(アール)やha(ヘクタール)となります。
1アールと言われてもどのくらいの面積がすぐには想像できませんよね…。
1ha(ヘクタール)=10000平方メートル
1a(アール)=100平方メートル
1ha(ヘクタール)=1a(アール)
私が農地を購入したいと思っている地域は下限面積30アールとなっています。
私は現在、約1,900平方メートル(約19アール)の畑を所有しています。
農地購入のための下限面積は30アールですので、あと11アールの面積が必要となります。
売買できる農地はどうやって探す?
じゃあいざ農地を買いたい!ということになっても
不動産情報サイトなどで検索をしても、農地だけの情報はほとんど出てきません。
不動産屋さんなどにも聞いてみたりもしましたが、農地だけの売買となるとやはり直接売りたいと思っている農家さんや農業委員会との繋がりがないと難しい感じでした。
農地ナビを利用
現在の農地の情報はネットでも見ることができます。
全国農地ナビというサイトです。
どこが農地として登録されているかという情報はここから確認することはできますが、どこの農地が売買できるのかという詳細までは記載されていないため、これだけでは希望の農地を見つけるということは難しいようです。
農業委員会へ相談へ行く
農地を買いたいと思っているけれど、今の私が当てはまる条件で購入させてもらえることができるのかどうか?
どうやって農地を探せばいいのかわからないことばかりでしたので、まずは農業委員会へ相談へ行ってみることにしました。
農業委員会なんてほんとに農業に関わっている人しか出入りすることがないようなところのイメージでしたので、電話する時もドキドキでした。
約束の時間に行ってみると、市役所の中の小さなスペースで3人くらいの方が働いていました。
対応してくれたのは、若いお兄さん。
農地が欲しいといういうことを説明しました。
お話を聞いていると農地だけの売買の相談はあまりないよう(特に買いたいというのは)で、最近はほとんど農地を宅地に転用する仕事ばかりだそうです…。
実際に私が持っている畑の周りもほとんどが宅地に変わってしまいました。
私の畑の隣で畑仕事をされていたおじいさんもいつの間にかお亡くなりになってしまったいたようで、あっという間に宅地に変わり、家が建ってしまっていたのですごく残念です。
残された家族にしてみれば、畑にしておくよりは、宅地に変えて売ってしまった方がお金にもなるだろうしいいのかもしれませんが、町の中に緑がどんどん減っていく光景は本当に悲しいです。
で、農地を購入できるのかという話ですが…
市役所の農業委員会のお兄さんもすぐにはどの農地を購入できるかというのはわからないそうで、各地域の農業委員さんへ確認をして探してみましょうという事でした。
農業委員会へ行けば、すぐに売られている農地がわかるのかと思っていましたが、そういうわけでもないようで、今は畑を使っていなくて放置されている状態でも、ひどく荒地にならない限りは農地として税金も安いままなので、あえて売りに出そうという人もいないのかもしれませんし、先祖代々…なんてことにしばられている人もまだまだいるのだろうなと感じました。
現在私は農業を専業としている訳でもないですし、農地がある市町村に住民票もありません。
そんな状態で農地を増やすために購入することができるのかどうか心配でしたが、農業委員会のお兄さんのお話ではたぶん大丈夫でしょう(たぶんが心配…)ということだったので、購入できそうな農地をさがしてくれるということになりました。
農地付き空き家であれば買いやすい
農地だけの購入となると、簡単ではありません。
ですが、現在は「農地付きの空き家」であれば農地も手に入りやすくなってきています。
「空き家バンク」に登録されている農地付きの空き家であれば、農地を購入できるという制度です。
私が農地を購入しようとしている地域でも農地付き空き家であれば、1アールから農地を手に入れることができるようになっています。
ですので、もし農地だけの購入が無理という話になれば、「空き家バンク」を利用して農地付き空き家というのも考えて、市役所の空き家バンク担当の部署への相談へ行きました。
ですが、なかなか条件に合うような物件となると難しいです。
家付きとなると、家の管理もありますし、宅地部分の税金も必要になってきてしまいます…。
田舎へ移住して自分たちのために家庭菜園をしたり、都会に住みながら、週末田舎で暮らすというような人には「空き家バンク」を利用して農地を手に入れるという方法がいいかもしれませんね。